会社を潰さない為の理解(前編)
~多くの経営者が誤解している原因~

会社を潰さない為には、その原因を意識する事が大切です。そして、その意識すべき原因は1つに絞る事が出来ます。会社が潰れる原因を意識する重要性を理解し、会社を潰さない為の対策を取り続けて下さい。

経営に携わる方に対して、「会社は、どのような条件を満たした時に潰れるのでしょうか」という問いかけをさせて頂くと、様々な答えが返ってきます。

しかし、実は、「会社が潰れる」という事に直結する原因は1つに絞る事が出来ます。

そして、経営者が事業を続ける上での大前提となる「会社を潰さない」為には、その原因を把握し、対策をしっかりと取り続ける事が大切です。

この記事では、「なぜ、会社が潰れる原因を1つに絞る事が出来るのか」というテーマを取り上げます。また、「それを理解しておく事が、なぜ経営において重要なのか」という点についても紹介させて頂きます。

多くの経営者が誤解している「会社が潰れる原因」

最初に、冒頭でも触れた、「会社が潰れる原因とは何だと思いますか」という問いかけをさせて頂いた場合に、経験上、良く出会う答えを紹介します。

まず、
「売上が大幅に下がった時」
「赤字が続いた時」
といった回答を良くお聞きします。これらは、損益計算書に関係する内容と言えるでしょう。

また、少し専門的な立場で勉強されている方からは、
「負債が資産よりも多くなった時」
「流動比率が一定水準を割り込んだ時」
「自己資本比率が一定水準を割り込んだ時」
などの回答をお聞きする事もあります。これらは、貸借対照表に関係する内容と言えるでしょう。

しかし、はっきりと申し上げておきますが、
売上がどれほど少なくても、または、減少を続けても、
赤字がどれほど大きくても、または、悪化を続けても、
資産と負債のバランスがどうであれ、

簡単に潰れない会社は存在します。

会社が潰れる原因について理解する上では、まず、この点について理解する事が大事です。

何故ならば、自社を潰した(潰しかけた)経営者が、自社が潰れない為の対策をしている「つもり」になってしまっていた原因は、この部分に関する理解不足にある事が多い為です。

(ご参考)
誤解が無いように補足しますが、勿論、こうした点で問題があれば、それは会社が潰れる事に近づいている事が多いでしょう。それを否定している訳ではありません。しかし、この記事では、会社が潰れるという事に「直結するかどうか」という点を重要視しています。

会社を潰せる者の存在を意識していますか

では、会社はどのように潰れるのでしょうか。なぜ、潰したくもないのに、そのような結末を迎えてしまうのでしょうか。この点について、考えていきましょう。

まず、考えて頂きたいのは、
会社が潰れるのは、誰によってなのか?
ということです。

質問が曖昧と感じられるようであれば、
会社を、自分達以外で(自分達の意図に逆らって)潰せるのは誰なのか?
という質問に変えて頂いても結構ですので、ご自身なりの回答を考えて頂いた上で、この記事を読み進めて頂きたいと思います。

(ご参考)
なお、このような問いかけをすると、質問自体を意外に感じられる方がいらっしゃいます。それは、「会社は自分で潰すものだと思っていた」という感覚をお持ちの場合です。この点について補足しておきますと、会社は、自社の側(主に経営者)に続ける意思がある限り、継続していくのが原則なのです。それにも関わらず、会社が継続出来なくなる事態が、「会社が潰れる」という事になります。この為、仮に、会社を潰す手続きは自分達で行ったとしても、「会社が潰れた」場合には、その手続きを行う事になった原因となる(会社の継続をストップさせる強制力を持った)第三者が存在する事になります。
また、親会社や株主の意向で会社が「潰れた」というような話を聞く事がありますが、これは、「会社を自ら潰した」のであって、意志に反して「会社が潰れた」のとは違います。株主(親会社も含む)は、いわば会社の内側に属する者ですので、一部の社員(従業員)の意思に反して会社が無くなったとしても、それは、「内部の意見対立をどう解消するか」といった類の話となります。

会社は誰によって潰されるのか

さて、先ほどの「会社が潰れるのは、誰によってなのか」という質問への答えですが、この記事で用意している答えは、
現金を支払ってもらう約束を破られた相手
というものです。

そして、もうお解りかもしれませんが、「現金を支払ってもらえなかった相手」のみが「自社を潰せる」訳ですから、「自社が潰れる」という事態を回避する為には、「現金を支払ってもらえなかった相手」を創り出さなければ良いという事になります。

会社を潰さない為に守るべき事

すなわち、会社を潰さない為には、
「現金を、約束通りに相手に支払えない」という事態さえ回避出来れば良い
という事になります。

このように説明させて頂くと、当たり前の事のように感じる方も多いと思います。しかし、ここで改めて、この記事の前半で紹介させて頂いた内容を思い出して下さい。

経営者の方に「会社が潰れる原因」について質問させて頂いた際、この考え方に直結する回答をされる方は少数派です。多くの経営者の方は、重要視すべき要素として、他の要素を挙げられています。

会社を潰さない為に、日頃、経営者の多くが意識している内容は、他の事なのです。

会社を潰さない為に現金の重要性「も」理解している経営者が陥る罠

勿論、他の要素も意識する事は大事ですし、それらの要素を満たさなければ、結果として、「現金が約束通りに相手に払えない」という事態に繋がるケースも多いでしょう。また、会社が潰れる要因として他の要因を挙げた経営者であっても、現金の重要性についても十分に理解しているケースは少なくないでしょう。しかし、ここに一つの罠があるのです。

例えば、売上を獲得する事を最優先と考えてはいるが、現金の重要性も理解している経営者がいたとしましょう。

その経営者は、
売上を十分に確保しないと、現金が足りなくなる
という事は常々意識しています。

そして、
売上が下がった場合、現金が不足する危険性がある
という事については、十分な注意をして事業運営が出来ている事でしょう。

しかし、実は、
売上が十分にあっても、現金が足りなくなる事はある
という事が、十分には意識出来ない事が多いのです。そして、その結果、意外なタイミングで現金不足が現実となってしまう事があるのです。

会社を潰さない為に意識すべき内容

日頃の忙しい事業運営の中では、よほど意識している点以外は、十分に対策出来るものではありません。この為、会社を潰さない為の多くの情報が、知識としては経営者の頭にあっても、それだけでは十分ではないのです。

こうした理由によって発生する悲劇を防ぐ為には、会社を潰さない為に意識すべきなのは、「現金」であって、「売上」は「その為の手段(前段階として大事な要素)である」という事を理解し、その上で、日頃から意識している必要があります(売上以外の大事な要因についても、同じです)。

これが、経営者が会社を潰さない為に意識しておくべき、「会社が潰れる原因」が1つに絞られる理由です。

この記事の後編では、より具体的に、「現金を支払ってもらう約束を破られた相手が、何故、自社を潰す事が出来るのか」という点について紹介させて頂きます。また、この点について理解しておく重要性についても、より深く見ていきます。

この連載では、関連記事にて、こうした問題への対策についても紹介させて頂いております。宜しければ、それらの記事もご一読下さい。

なお、当社では、様々なビジネスコンサルティングに関するサービスの一環として、こうした「事業継続のリスクに関する分析や対策」についても支援させて頂いております。