売上アップの基礎(前編)
~売上改善の為に最初に取り組むべき作業~

既存事業の売上アップの為に、真っ先に行うべき作業は1つです。世の中には様々な売上を上げる為の方法が存在しますが、着実な売上改善を達成したいと考えているのであれば、適切な手順を踏む事が大切です。

売上改善(売上アップ)は、多くの経営者を悩ませている重要なトピックスであると言えるでしょう。こうしたニーズに応える為、世の中には様々な提案が溢れています。

経営者の方との売上に関する会話でも、
「文献に載っていたので、こうした対策を試してみたい」
「素晴らしいツールを紹介されたので、導入してみる事にした」
「競合他社が採用した手法を自社でも採用してみたい」
といった内容が話題となる事があります。

また、このようなお話を伺う事もあります。
「売上改善の為に、何をすれば良いのか解らない」
「何をやっても売上アップが実現出来ない」
こちらは、売上を上げる為の方法が一つも見つかっていない状態です。

どちらの場合でも、私達は、売上を上げたい殆どの会社において、まず、取り組むべき作業を一つに絞る事が出来ると考えています。

この記事では、その内容について紹介させて頂き、売上改善を成功させる為の第一歩を踏み出すお手伝いをさせて頂きたいと思います。

売上アップの為に最初に行うべき事とは

改めて申し上げますが、自社の売上に真剣に悩まれ、着実な売上改善を必要とされているのであれば、まず、やるべき事は一つです。

その作業を一言で述べれば、
自社の売上の源流について理解する
という事になります。

これは深く、また、非常に多くの意味を持っています。しかし、多くの売上アップの為の対策においては、そこまで複雑な事を考えなくても、
現在の売上がどのような経緯をたどった結果としての数字なのか
という事を理解すべきである、と考えて頂いて支障ありません。

まだ、少しピンと来ない方も多いでしょう。もっと多くの方に理解して頂きやすいように言い替えれば、売上アップの為には、
(取れた可能性があるにも関わらず)どういった売上が取れなかった結果として、現在の売上になっているのか
という事を理解するべきである、という事になります。

まだ、良く解らないと思われた方もいらっしゃると思います。しかし、イメージを持って頂くだけであれば、それほど難しい事ではありません。

売上アップの為の分析を例から理解する(前提)

一つのケース(例)を用意しました。

貴方は、お祭りの屋台で飲食物を提供するお店を出していたとします。しかし、売上が思ったほど上がりません。

お祭りに来た人は、必ず会場内のどこかの店で食事をするものとしましょう。また、店に関する広告手段はなく、飛び込みでの来店客しか狙えないものとしましょう。

まず、ご自身で、「自分なら、どうやって売上アップを実現させるだろうか」と考えてみて下さい。少し漠然とした想定ですので、考えづらいとは思います。必要に応じて、ご自身なりに想像して考えて頂いて結構です。

さて、このケースにおいて、自店舗の売上は、自分のお店の前を通る人からしか上がりません。すなわち、目の前を通る人全てが「顧客となる可能性のある人」です。そして、自店舗で買ってくれなかった人は、「顧客に出来なかった人」という事になります。

また、「メインの食事は自店舗で買ってくれたが、食後のデザートや飲み物は他店舗で買われてしまった」という事もあるでしょう。こうしたケースは、「その顧客が飲食の為に使っても良いと思っていた予算の全てを、自店舗で使わせる事は出来なかった」という事になります。

売上アップの為の分析を例から理解する(解説)

非常に簡略化した想定の話ですが、このケースの場合、2段階で売上は絞られています。

まず、「人(顧客)」という点での絞り込みです。

店の主人である貴方は、自店舗の前を通った人すべてに自社の顧客になって欲しいと考えるでしょう。しかし、自店舗以外にも飲食物を提供する店舗は多数あり、当然、そんな素晴らしい状況は発生しません。様々な理由で、お客は他店舗に取られてしまいます。

この事から、自店舗の前を通った人は、「顧客になってくれた人」と「顧客になってくれなかった人」に分かれている事が確認出来ると思います。後者が取りこぼした売上に繋がります。

次に、「それぞれの顧客が使う金額」という点での絞り込みです。

この点についても、飲食物に関する店舗の主人である貴方は、自社の顧客になってくれた人には、その人が、このお祭りで飲食に使っても良いと思っている予算全てを使って欲しいと考えるでしょう。

しかし、この点についても、そんなに甘くはありません。顧客は、様々なものを食べたり飲んだりしたいと考えているかもしれません。自店舗で提供している商品だけで、その希望を満たせなかった場合、当然、その顧客が使える予算の一部は、他店舗で使われてしまいます。

この事から、顧客それぞれが使う金額は、「自店舗で使って貰えた金額」と「自店舗で使って貰えなかった金額」に分かれます。後者が取りこぼした売上に繋がります。

こうして、「2段階で売上を取りこぼした結果、現実の自店舗の売上になっている」と考える事が出来るのは解って頂けると思います。

売上をアップさせたい会社が数字の整理に取り組むべき理由

さて、このような作業を行った事で、自店舗の売上を少し整理する事が出来ました。

今回は具体的な数字を用いませんでしたが、実際に分析を行う際には、数字についても把握して頂くと、現在の売上が「数字ベースで」どのように絞り込まれた結果であるかが解りやすくなります。

この作業を行うメリットについては、この記事の後編において詳しく取り上げますが、その前に、「売上が思い通りに獲得出来ない」という「漠然とした問題」が、検討しやすい「具体的な問題」に少し整理された事には気付いて頂けたでしょうか。

実は、この「問題を整理する」という事が、売上改善の為の適切な対応を検討する上では大切な要素になります。是非、皆様の商売においても、同様の作業を試してみて下さい。最初は、小さい単位の商売を検討対象とする事をお勧めします。

なお、適用するのが難しそう見える「ネットを使った集客」などであっても、既存の商売に関する検討であれば、工夫する事で、この考え方は適用する事が出来ます。

後編では、「この作業が、どのように売上アップの為の対策に繋がるのか」という点、すなわち、「こうした手法を活用するメリット」について説明を続けます。

この連載では、関連記事にて、売上改善の為の分析をより適切に行う為の情報についても紹介させて頂いております。宜しければ、それらの記事もご一読下さい。

なお、当社では、様々なビジネスコンサルティングに関するサービスの一環として、こうした「売上改善の為の分析」についても支援させて頂いております。