売上アップの基礎(後編)
~正しく売上対策に取り組むメリット~

自社に合わない売上対策の実行は、自社を迷走させてしまう事にも繋がります。そうした事態を避ける為にも、適切な売上対策を行うメリットを理解した上で取り組むようにして下さい。

この記事の前編において、現在の売上に満足出来ず、売上対策を真剣に考えるのであれば、まず、
現在の売上がどのような経緯をたどった結果としての数字なのか
という事について整理する事をお勧めしました。

この続編では、「この考え方が、どのように売上改善に役立つのか」という点、すなわち、この手法を用いて売上対策を行うメリットについて紹介します。

売上の源流を意識すると売上対策を挙げる事が出来る

前編で取り上げた例では、2つの段階で売上を取りこぼし、現在の売上になっていました。では、このような分析(売上の数字に関する整理)は、なぜ行うべきなのでしょうか。

ここでは、2つのメリットを紹介させて頂きます。

まず、一点目として、
売上対策を挙げる事が出来る
というメリットがあります。

前編で例を最初に紹介させて頂いた際、皆様ご自身でも売上対策について考えて頂いた事と思います。その際、あまり対策を多く思いつかなかった方も、数字を整理していくと、検討すべき売上対策が追加で思いついたのではないでしょうか。

なぜ売上の源流を意識すると売上対策が挙がるのか

これは、当たり前の事で、問題の「原因」が、「より多く」「より明確に」認識出来れば、それに対応して、対策も自然と思いつくものなのです。

ですから、漠然と「売上が問題だ」と考えるよりも、「売上のどの部分が問題なのか」という事が意識出来れば、それだけ売上対策の検討は進むのです。

例えば、「人数」の面で取りこぼしている売上にアプローチしたいのであれば、「自店舗の前を通る人に、より強く認知して貰う」といった売上対策などが検討される事になるでしょう。「金額」の面であれば、「自店舗の顧客が、自店舗ではなく、他の店舗で買っている商品を自社で取り扱う」といった売上対策が検討される事になるでしょう。

このように、事前に問題の整理が出来ていれば、売上対策を挙げることが容易になるのが解って頂けるでしょうか。

売上の源流を意識すると適切な売上対策が選択出来る

次に、二点目のメリットです。

一点目とも関係はしますが、
売上対策を適切に選択する事が出来る
というメリットがあります。

ここで紹介しているような方法を用いなくても、様々な売上対策を思いつく方もいらっしゃるとは思います。しかし、それらを実行に移す際に欠けがちなのは、「どの売上対策が最も適切か」「どの売上対策こそが実行されるべきなのか」という視点なのです。

そのように難しい事は考えず、「思いついた対策は、全て実行してしまえば良いのではないか」と考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、それは多くの場合、間違いです。

実行する売上対策を選択しなければならない理由

実際に実行する売上対策は、「十分な効果があるはずの売上対策に絞る」べきです。出来る事であれば、「大きな効果が見込める売上対策から実行する」くらいの事は考えて頂きたいと思います。

何故かと言えば、「全ての売上対策を、十分な結果が出るほどの経営リソースを用いて実行する事は不可能」だからです。売上対策を適切に実行するには、人手や資金が必要です。多くの売上対策を実行しようとすると、全ての売上対策が頓挫する事にもなりかねません。

また、対策によっては、その売上対策で得られる業績改善効果よりも、コストの方が上回ってしまうことすらあり得ます。

こうした失敗を避ける為には、実行すべき売上対策は、十分に効果が出るものに限定すべきなのです。

現在の売上にたどり着く源流を把握するメリット

ここまでで、前編で紹介した手法にメリットがある事は、ある程度、理解して頂けたのではないでしょうか。

ここで確認しておいて頂きたいのは、ここでお勧めしている手法においては、売上改善という目的の為の作業を、「売上対策から考える」のではなく、「売上を失っている原因を漏れ抜けなく把握し、整理する所から売上対策を考える」という点です。

勿論、こうした手法を用いても、売上を失っている原因が適切に挙げられる保証はありません。しかし、こうした整理作業を行わずに対策を考えるよりは、適切な売上対策を選択出来る可能性は高いでしょう。

具体的な売上対策に飛びついてしまった場合のデメリット

なお、こうした分析を行わず、売上アップの為の対策に飛びつき、実行してしまった場合についてですが、
十分な効果が期待出来ない売上対策を実行してしまう
得られる効果よりも、その売上対策を実行する為のコストの方が高い

といった失敗をしてしまう事があります。これらは、この記事で取り上げた内容ですか
ら、理由は理解して頂けると思います。

そして、それだけでは済まず、
様々な売上対策を実行してみたが、どれも結果が出ず、
自社を改善出来る道が見えなくなり、
将来を真っ暗に感じてしまう

といった状態に陥ってしまう事すらあるでしょう。

そうした事態に陥ってしまうのを避ける為にも、この連載で紹介している手法を用いる事をお勧めします。

正しい売上対策のすすめ

是非、皆様ご自身の事業でも試してみて下さい。構造がシンプルな事業であれば、初めて分析して売上対策される方でも、十分な結果に繋がる事は多いと思います。

もし、事業が複雑であったり、こうした作業が不慣れで難しく感じられたりする場合には、こうした検討作業に慣れた専門家を入れて検討を進めて下さい。適切ではない売上対策を試して時間と費用を無駄にする位であれば、その価値は十分にあると思います。

この連載では、関連記事にて、売上改善の為の分析をより適切に行う為の情報についても紹介させて頂いております。宜しければ、それらの記事もご一読下さい。

なお、当社では、様々なビジネスコンサルティングに関するサービスの一環として、こうした「売上改善の為の分析」についても支援させて頂いております。